角パイプ03 : 塑性加工・加工硬化 (テクノ・コラム)

投稿日:08.11.2010|カテゴリー:TechnoColumn|コメント・トラックバック:0件

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「ロール成形」は冷間ロール成形とか、cold roll formingといわれますが、冷間を省略して言うことが多いです。
何故ならこの方法が一般的な方法だからと思います。ところで、冷間に対峙する言葉としては、「温間」や「熱間」があり、これらの方法は、被成形材(材料)に熱を加え、成形する方法です。
それぞれに特徴があります。
①冷間で成形すれば、加工硬化し、元の材料よりも強度が増します
(熱を加えると元に戻ります。それに伴い変形します)。
②冷間で成形すると、その他の方法に比べ、表面肌が綺麗です。
③温間や熱間で成形すると、所望の形状が作りやすい(厚肉、複雑形状など)。
など上げられます。

「ロール成形機」は複数のスタンド(複数のロールが装着されている)が配置されていて、スタンド数・大きさなどにより、できる製品の製造範囲が決まります。この条件内でロールプロフィール(ロール形状)設計を自由に行うことが可能ですが、逆にいうと、無限とも言える組み合わせの中から、最適なロール形状を見出さねばならないという課題があり、さまざまな見地からの開発・研究が進められています。(前述「ロール成形次世代への課題」石川剛圭)

①の加工硬化について、少し「塑性加工」の話しを。
金属などに力を加え変形させた後、解放し、完全に元に戻った場合の変形を弾性変形。
この変形はご存知の通り、フックの法則に従います。
次に、先ほどよりも大きな力を加え、変形させた後に解放しても元の状態には戻らない場合、この変形を塑性変形といいます。それと同時に加工硬化(硬くなる)します。この加工硬化があるからこそ、塑性加工ができるのです。
ちなみに、この弾性変形から塑性変形のまさに分岐点を降伏点といいます。 
例えば、鉄棒をものすごい力で徐々に引張っていきます。すると弾性変形域(解放すると元に戻る領域)から塑性変形域(解放してももう元には戻らない)に入りながら、丸棒が細くなってきます。この時、加工硬化がない場合、細くなった部分(断面)が弱い為、どんどんその部分が細くなり、そこからちぎれてしまいますが、実際はそうなりません。細くなったその時、塑性変形し加工硬化して、その隣が伸びだし・加工硬化するため、丸棒全体(ある範囲)均一に伸びていきます。

引張り・加工硬化
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