異形パイプ05 : 所望の形状・中 (テクノ・コラム)

投稿日:11.06.2010|カテゴリー:TechnoColumn|コメント・トラックバック:0件

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更に、異形管の設計に関して、所望の形状が作れるかどうかは経験の有無は大きな要素ですが、それだけではありません。例えば、
客先から、「こんな形状はできますか?」との問合せで、
営業⇒設計者は大抵、即答が要求されます。
異形パイプ04 :  所望の形状・上 でも述べましたが、先ずは設備。
既設の設備で製造可能範囲であるかが第一関門です。
次は、
想像力。
設計者は初めて話しを頂いた時に、作り方の約80%が決まらない場合、後で相当苦労するものです。

正式に見積をする段になると「製造可能是非の検討」で、製造方法、設計(ロールプロフィル、方法)などを確定させます。その時に、経験・実績がものをいいます。
しかし、形状に関して経験が無くても
加工可能是非、難しさなどは当然ありますが、同業者で作っていると聞けば(現物を見れば)、製造可能是非の確度は極めて大きく上がります。どういうことかと申しますと、所望の形状に至るまでのパス数は異形管を作る当事者しかわからないものです。他社でできれば道があることがわかります。ですので、確信をもって進むことができます。
他方、それが無い時は、自分自身でその道を見つけ出さなければなりません。初回の試作の時、形状で失敗しても、思った通りの道が見えた時は、不安が無いものです。逆の場合、形状に失敗した上で、道筋も見えない状況では、背筋が凍りつきます。

ロール成形に関しては、多くの製品が身近にあるものの、設備が巨大な上、高価であり、且つ、塑性加工の素養が必須である為、これに関わる人はあまり多くありません。そんなこともあり、大学でも極限られた先生方が研究しているのみです。大学から発信された「角管・異形管」に関する論文は、あまり多くありません(当然企業の論文もあります)。しかし、その論文は角管や異形管を作る者にとって大変多くの示唆に富んだ結果を含んでいます。
ロール成形に興味のある方は、論文などを精読すると良いかもしれません(難しく書かれていますが・・・)。必ずや新たな発見があると思います。

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